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旦那、その後 ~戦闘編~

決戦日当日。

旦那にどんなことがあっても契約書にはサインするなと念を押し、仕事に向かった。
旦那もそれだけは絶対しない、と言っていたが、私はあの社長夫婦の様子からすると、悪徳商法並みに印鑑押すまで監禁することもあるかもしれないと思っていた。
それまでに聞いていた旦那がとった録音。
社長はやはり社長であり、理路整然風に高圧的であった。
一方、専務の社長夫人は女性ならではのヒステリックさ。
女性なら冷めた目で見れても、男性には社長よりも耐え難い存在でしょう。

だから、旦那を戦場に送り出している気がしてならなかった。
きっと戦闘開始は18時以降の時間外。
もし21時までに旦那が返ってこなかったら、会社に電話してみよう。
電話に出なかったら、警察に電話してもいいかもしれない。
そこまで考えていた。

そして、そろそろ18時になろうとしていた頃、旦那から電話が。
もう、終わった!?
意外とあっさり終わったのかと電話に出てみると・・・
「話し合いは今からなんだけど、家にICレコーダーない??」
と押し殺すような声で話してきた。
どうやらトイレから電話をかけてきたようだった。
「え?レコーダーって持って行ったんじゃないの?」
念のため、いつもレコーダーを置いているパソコン周囲をみてみるが、やはりない。
「そうか、ないか・・・。落としてしまったかも。とりあえず電話切ります!」と言って切れた。

ただでさえ不安な中、決定的証拠となるレコーダーがないなんて。
不安は倍増どころから何百倍にもなった。
食事もろくに喉を通らず過ごす時間・・・。
あと少しで9時だ。
帰ってこなければ、会社に電話、会社の対応次第では警察・・・そんなことを何度もシミュレーションしていた。

そして、21時を過ぎた頃、旦那が帰宅した。

あー、よかった。
でも、安堵も束の間、矢継ぎ早にどうだったか聞く私。

「とりあえず、サインはしなかったけど、本当にすごかった」

戦場から戻った旦那は当たり前だけど、憔悴しきっていた。
昨日もらった契約書はやはりサインできないと言ったところ、専務は金切り声を上げヒステリックに旦那を罵倒し、社長は旦那を犯罪者張りに非難した・・・そうだ。
つくづく録音できなかったことが悔やまれる。
旦那が犯したレコーダーを失くすという失態も正常ではない精神状態がそうさせたのかもしれないけど。

専務のヒステリーは論外であったが、社長は旦那がいかに悪いことをしたかということを正論風に言ってくるため、次第に旦那も「自分が悪いのでは・・・?」と錯覚してしまったと言っていた。

「君はできると言ったんだよ。それなのに成果を出していないじゃないか。嘘をついたんだね?」
→そりゃ、入社面接でできないなんてあらかじめ言う奴なんてそうはいないよね?しかも、本気で旦那も前職と似た業種だったので、過去のツテを何らかの形で生かせると思っていた。そうさせなかったのはお宅ですよね?
「こっちは君を雇うのに80万円もの仲介手数料を払ってるんだよ。正直、アカだよアカ。払ってもらって当然だよ」
→いや、全然当然じゃありませんよ。そんなに仲介手数料取られたくないんだったら、そもそもハローワークだけで登録しとけばいいんじゃね?
「君、全然仕事もしないし、正直言って懲戒免職にしたっていいんだよ」
→旦那があぐらかいて、会社でネットサーフィンしてるとか、営業と言いながら公園でくつろいでたら、どうぞ懲戒免職してくださいな。違いますよね?仕事してますよね?

ま、書けばキリもないし、録音出来なかったため、ほんの一部しか紹介できないが、冷静になればツッコミどころ満載だった。
だが、集中砲火を受けている旦那はどうしたらこの場を切り抜けられるか、そればかり考えていた。

ひとしきりしゃべり終わると、社長は「君これからどうすんの?」と聞いてきた。
旦那の心は限界。
「・・・この条件では働けません」と答えた。

すると社長は「ああ、そう。それなら仕方ないね。その契約書返して」と言って、旦那に渡した契約書を回収した(もちろんコピーはとっていたが)。
そして、
「来週新しく辞令を交付するから。今日は帰っていいよ。」と言った。

解放された旦那であったが、最後のセリフに新たな不安がよぎる。
私は話を聞いて、おどしのような契約書をちらつかせて、最終的には旦那から「働けない」という言葉を引き出したかったのではないだろうかと思った。
会社は悪いことをしていない社員の首を勝手にはきれない。
でも、自分から言わせればやめさせることができる。
そんなシナリオは最初からあったんだろうなと思ったが、その状況で彼らに誘導されてしまった旦那を責める気にはならなかった。


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by dckuma | 2018-09-30 15:06 | かぞくのこと | Comments(2)

旦那、その後 ~戦闘開始編~

その日は突然訪れた。

ある日のこと、旦那が珍しく日中に電話をかけてきた。
私が仕事中なのを知っているのに、だ。
よほどの緊急事態と思い、人気のないところに行って、電話をかけなおす。

すると・・・

「今日いきなり、朝行ったら契約書を見直すと言って、新しい契約書をもらった。今日の夕方に返事しろと言われたけど・・・」

旦那の切羽詰まった声。
悪い話と分かりながら聞くのも怖いものだ。

「契約書に『人材派遣会社に支払った仲介手数料80万円を支払うこと』『給料は○○円(現在の20%カット)にする』と書いてあった。こんな条件飲めるはずがない。向こうの言い分は俺が向こうの期待する働きをしなかったからだって言うんだけど・・・」

「はあ?ちょっとありえなくない?仲介手数料払えって普通じゃないって。弁護士に相談した方がいいよ!」

旦那の話を聞いて、スルッと弁護士のアイディアが湧いたわけではない。
以前に旦那の友人が会社とトラブって弁護士に相談していたときいていたことと今回なんだか今までとは様子が違ったため、いざとなったら弁護士に頼むか・・・ということを事前に話し合っていたからだ。
と言っても、あてがあるわけではない。
旦那も仕事の途中だったため、一旦電話を切り、私は労働問題を専門とする弁護士を探した。

それから数時間して、旦那から再び電話があった。
旦那も旦那なりに弁護士を探して、とりあえず無料電話相談をしてくれるところをみつけ電話したらしかった。
非常に対応してくださった弁護士さんは丁寧で、旦那の現状を聞いて「その契約書はおかしい。決してサインをしてはいけない。サインを拒否した後、向こうがどうでてくるかで今後の対応が変わる」ととりあえずのアドバイスをもらえた。

旦那は絶対サインはしないという意気込みで会社に戻った。
「妻と相談してサインするので、今日はサインできない」とごまかした。
だが、社長夫妻は「そんなことも自分で決められないのか」「君はできるとか言って、僕たちをだましたんだよ」などなどサインをするよう迫ってきた。
そりゃそうだ。
向こうにしてみれば脅してでもサインしてもらえれば、超安月給で済む上に仲介業者に支払ったお金が返ってくるのだから。
多分旦那は弁護士に相談していなかったら、閉鎖空間で二人に尋問され、ついサインをしてしまっていただろう。

旦那はどうにか1日の猶予をもらって、その場を切り抜けた。

でも、逃げ切ったところで、明日からどうしたものか。
私たちは途方に暮れていた。
正直「辞めたい」状況ではあったが、会社規定によると1ヵ月前には退職意思を伝えなければならない。
あんな契約書を出してくるぐらいだから、彼らも法的に攻めてくるかもしれない。

やはり専門家によるアドバイスが欲しかった。
旦那が日中に相談した弁護士は平日の日勤帯のみの対応。
夜間に相談に乗ってくれるところはないかネットで探し、緊急対応してくれるところはいくつかあったが、どこも本日は無理との事であった。
最短で対応してくれるところが、翌日の夜。
決戦日は翌日であり、本当はその日にどう対応すべきかを一番聞きたかったのだが、このやりとりがすんなりと1日で終わるとは考えがたく、とりあえず予約した。
その弁護士さんも日中に電話した弁護士さん同様「決してサインはしてはいけない」とアドバイスをくれた。
また「録音すること」「可能であれば会社の就業規則をもってくること」とも言われた。

実はすでに録音は始めていた。
会社がブラックじゃ?と思い始めたころから。
だが、会社の就業規則は原則社外秘であり、旦那の職場は社長の背側にある本棚に社員「いつでもみていいよ」というスタンスで立てかけられていた。
常に専務が目をみはっている状況で、コピーはおろか、目を通すことすら難しい環境であった。

私たちは就業規則の入手は難しいだろうと考えた。
ただサインはしないこと、録音することはきちんとしようと決め、翌日を迎えた。

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by dckuma | 2018-09-17 19:36 | かぞくのこと | Comments(2)

旦那、その後 ~同僚編~

ちょっとここで、旦那の同僚についてご紹介。

この会社での実働部隊は旦那を含めて3人。
皆、転職組。

まずはSさん。
彼は営業は営業でも新規開拓ではなく、品物をお客さんに届けることを主にしていた。
そのため、ライトバンのようなものに常に商品を詰め込みでかけていた。
3人の中で一番先輩のようなのだが、完全に社長に洗脳されていた。
社長にほぼ毎日怒鳴られて、凡ミスも頻発しており、精神発汗などもみられ、どうみても精神的に異常をきたしているようだった。
旦那が在職中には交通事故も起こしていた。
だが、ある日旦那が「大丈夫ですか?」と声をかけたら「なんですか?どうもないですよ」と何か問題でも?と言いたげな態度をとられたとのことであった。
Sさんを正常な感覚に戻してあげることはそう容易なことでもなさそうだった。
ましてや自分のことが精一杯で彼のことまで手が回らない状況であったため、以後Sさんとの絡みはなくなった。

次にWさん。
旦那入社後の教育係を担当してくれた方。
歳は旦那より一回り近く年下。
時々謎の早退をしていたが(社長容認)、後に早退の理由が明らかに。
この会社に入社後、詳細にはかけないが、刑事事件を起こして裁判所に行く必要があり、早退していたとのこと。
そして、旦那の教育がひと段落したら、退職予定ということも分かった。

Wさんは最初、旦那が道を覚えたりするのが遅いため、しばしばいらいらした姿をみせていたが、旦那が一度飲みに誘って、そこで打ち解けた。
そして、知ったことは、端的にいうと、社長がその刑事事件をネタに安い給料で彼を働かせていたという事。
↑はこちら側の表現だが、社長からすると「すぐ首にもできるけど、それじゃあかわいそうだろう。だから、少しを猶予を与えてあげた」というスタンス。
旦那は社長が「ほんとは秘密だけど」とかいいながら、旦那に事件の話をしてきたため、内容を知っていたのだが、Wさんの人となりを知った後は「本当にそんな事件を?会社のストレスのせいじゃ?」と思っていた。
だから、Wさんとの会話の中ではもちろん知らないフリをしていたわけだが、その悪条件での仕事もWさんは「会社に迷惑をかけたから仕方ない」と考えていた。
Wさんは月給から時給に変えられ、社会保障も残業代も支払われないという状態。
先輩と言えども中途採用で、数年しか働いていないため、もちろん会社規定にのっとり退職金も支払われず。
どうやら社長は社労士からアドバイスをもらいながら、会社に不利にならないような形で、彼を退職に追い込んでいるようだった。
客観的にみれば、社長は社員のことを考えた「やさしい人」だが、内情を知っていると安月給で働いてくれるいいカモを見つけたと喜んでいる悪人でしかない。
Wさんは旦那と飲みに行った際、旦那が「僕は君が何をしたか知らないけど、社長にあんな扱いをうけなきゃいけない人じゃないと思っている」と言ったところ、涙ぐんで「もっと早く(旦那と)出会いたかった。ありがとうございます」と言ったらしい。
旦那のみならず、相当精神的に追い込まれているんだと分かった瞬間だった。

Wさんとは結果的に退職時期が重なったため、事務的なことで数回連絡をとっていたが、以後はわからず。
元気であることを祈ります。

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by dckuma | 2018-09-07 13:07 | かぞくのこと | Comments(0)

妻として、母として、医師として